美術 一色洋平×小沢道成 / 照明 南香織 / 衣裳 山中麻耶 / 写真 小岩井ハナ
一色洋平×小沢道成「谺は決して吼えない」2014年9月/王子小劇場
 
俳優・一色洋平と一緒に企画をし、美術・演出も2人で行った公演の第一弾。予算が無いのも関係はするが、それ以上に演劇的な遊びを使って上演したいという想いがあった。自転車をそのまま使うのではなく、ハンドルとタイヤだけを各々が持ってやることで、身体を大きく使って方向転換をする、みたいな自転車そのままでは不可能なアイデアも飛び出して面白かった。物語の設定と関係していたのもあり、美術は全て〝演劇〟に関係するもので構成をする。通常、観客席を作ったりする時に使う〝木足〟を舞台壁にデザインし、色なども塗らずに、使い古された色や質をそのまま使用した。一色が天井ら辺に「はしごを横に設置したい」と言ったりと、とにかく僕たちがワクワクする気持ちを大切に美術を作っていった。この公演で一色と作った美術やその過程が大きな影響となり、後の公演でも美術を彩る楽しさにこだわり始めることになる。